米トランプ vs 著名慈善家の移民戦争

アメリカにいけば仕事がある。

中南米の最貧国から難民が
今でのアメリカに押し寄せています。

トランプ政権では不法滞在者に
取り締まりを厳しくしていますが
その一方で難民受け入れを
推奨する著名慈善家がいました。

その著名慈善家が意図する世界とは?

トランプVS著名慈善家の移民戦争

米トランプ vs 著名慈善家の移民戦争の行方

音声ダウンロード(MP3) [12月1日収録]

国境に到達した移民キャラバン、武力行使はあるか

阻止しても受け入れても移民大国・米国にのしかかる重荷

JP Press 2018.11.30(金) 堀田 佳男

 中米からの移民キャラバンが米国とメキシコの国境に到着し、現地では膠着状態が続いている。

 何としても米国に入国したい移民キャラバンの参加者と裏腹に、ドナルド・トランプ大統領(以下トランプ)は力ずくでも彼らの入国を阻止しようと必死だ。

 トランプが移民に対して好意的な考えを持っていないことは最近の発言でも明らかである。

「移民たちの入国を許しません」

 10月下旬、ホワイトハウスの南庭でこう述べている。

 「移民というのは規模が大きく、危険なものです。大変危険なトピックです。移民たちの入国を許しません」

 記者の質問に立ったまま即答しているため、つじつまの会わない言葉使いになっている。「移民キャラバン」と言わずに、「移民が危険」と言い切っている。

 それだけにトランプの本音が短い返答の中に隠されている。11月25日のツイッターでは以下のように発信した。

 「移民キャラバンの中には多くの犯罪者が紛れています。米国は彼らの入国を阻止します。入国してくるなら逮捕し、拘束します」

 トランプは移民キャラバンに国境を越えさせないため、5900人の米兵を国境沿いに派兵した。米軍の兵士を国内に展開させることは異例である。

 というのも米国には1878年に成立した民警団法(PCA)という法律があり、軍隊を国内に派遣してはいけないルールがある。

 米軍は本来、対外的なことに派兵され、災害時などを除いて国内では活動しない。

反対の共和党と賛成の民主党

 米軍は敵を殺傷するために訓練された組織であり、今回のような丸腰の人間を相手にすべきではないとの考えがある。

 いまはまだ催涙弾で済んでいるが、今後移民キャラバンが強引に国境のフェンスを破壊して越境してくることがあれば、トランプは武力攻撃も厭わないだろう。

 移民キャラバンの受け入れについては中間選挙での争点にもなった。概括すると、トランプの共和党が受け入れに反対で、民主党が受け入れ賛成に回っている。

 反対派の代表格はもちろんトランプだが、受け入れ賛成派としては連邦下院エリジャ・カミングズ議員(民主党)などがいる。

 「彼らに国境を越えることを許してから難民申請をさせるべきだ。それこそが法律というもの」

 最初から救済しますという、トランプとは真逆の立場である。

 この両者の発言からも分かるように、米国はいま分断が鮮明になっている。しかもどちらの立場に身を寄せても本質的な解決策には手が届かない。

 民主党の中にも、無条件に彼らの入国を許すべきではないと考える人たちもいる。

正規の手続きを踏む人々の苦情

 常識的に考えても、ビザもパスポートも持たない外国人を「祖国を追われてきたのです。米国に入れてください」というだけで無条件に入国させることは推奨されない。

 というのも、米国への移民・難民希望者は数多く、今回の移民キャラバンの数千人を受けて入れてしまうと、他国からの難民や他の中南米出身の移民たちが次々と国境に押し寄せて同じ行動をする可能性がある。

 正規の申請手続きを踏み、何年も待っている人たちからの苦情もある。

 いまトランプは当問題での対処を問われている。米軍を使ってまで強硬に移民を阻止する動きが功を奏するのかの答えはまだ出ていない。

 問題処理の仕方によっては政権に大きな打撃になるはずだ。ましてやキャラバンと米軍との武力衝突が起きて死傷者が出たとなるとトランプの責任論が浮上するだろう。

 米国はいまでも年間約70万人の移民を受け入れている。さらにアフリカや中東の難民キャンプから年間11万人の難民を迎えいれている。

 しかしトランプ政権になってから、難民の受け入れ数は3万人以下になっているのが現状だ。そこでもトランプの難民への考え方がうかがい知れる。

 移民や難民の立場は常に脆弱である。

日々身に迫る危険

 そこに「不法」という言葉がつくと、彼らの立場さらに脆くなる。

 誰もすき好んで自身の生まれた国を離れたりはしない。そこにはほとんどの場合、圧倒的と呼べるほどの経済的・政治的な弱者としての立ち位置がある。

 日々身に危険が迫り、住んでいた周辺地域では生活できない社会状況があり、1週間の労働でも5000円にしかならないホンデュラス人たちがいる。

 家族も養うこともままならない彼らが米国に向かうのは、不法入国者になってでも、仕事に就いて生きていくためである。

 米国には彼らを救済する人権団体や非営利団体が数多く存在する。彼らはそうした団体の存在をよく知る。

 不法入国した後、知人や友人のもとに身を寄せ、農場や中小企業、飲食店などで違法就労をする構図は何十年も前から変わっていない。

 例えばレストランが違法就労者を皿洗いとして雇うと、雇用主は罰せられるが抜け道はある。

 というのも彼らは正規の給料を受け取らず、現金で給料を貰うのだ。

 密告されない限り、移民局の係官に発見される可能性は低い。店側も税金や保険を支払う必要がない。

時給生活の違法滞在者は1100万人

 こうした時給生活をしている違法滞在者が米国には1100万人もいるのだ。彼らは稼ぎの中から自国に残してきた家族に1か月に数万円の仕送りをする。

 移民キャラバンが米国に来る大きな理由がここにある。

 トランプがこうした移民の存在もすべて否定するのであれば、米国経済は1100万人分の労働力を失い、経済のピラミッドの下層部分が崩れていくことになる。

 短期的にはメキシコ政府と共に、数千人に居住場所と仕事を提供することになるだろうが、長期的にはこうした違法移民を生み出さない社会状況を中米に醸成していかなくてはいけない。

 12月1日に大統領に就任するメキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール新大統領とトランプ政権との間で、移民キャラバンの「メキシコ国内残留案」が話し合われているとの情報もある。

 しかしそれは紛れもなく、メキシコに移民たちを押しつけ、米国内には1人たりとも入れたくないトランプの強欲のなせる業なのかもしれない。


 

経済倶楽部であなたの知りたいこと、相談したい悩みは こちらをクリックしてお送りください。

関連記事

  1. 質問959 森友学園に裏はあるのか?

  2. 質問908 新興国株式の落とし穴

  3. 質問804 イギリスEU離脱によって不動産バブル崩壊となるか?

  4. 米トランプ vs 著名慈善家の移民戦争

  5. 第404回収録 香港人権法案 米中冷戦時代へ突入?

  6. 質問1085 世界不況!アジア不動産は暴落?

  7. 質問1082 逆イールドは経済破綻の兆候?

  8. 第476回 コロナパンデミック…唯一の解決策

コメント

  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。

最近の記事

  1. お金のブラックホール

アーカイブページ